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QNX の車載ソリューション

ドライバ情報
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各種メーター、警告インジケータ、保守通知その他、ドライバー向けの情報システムは、クルマに関する多くのデータを表示します。速度、方向、燃費、タイヤ圧から再生中の音楽まで、その内容は多岐に渡ります。信頼性と費用対効果に優れた車載情報製品の開発は、自動車メーカーにとって非常に複雑な課題となっています。車載システムにおける成功を収めるには、以下のようなニーズを満たす必要があります。

  • 使いやすさ – 近年の消費者はスマートフォンやタブレットに慣れており、車載システムにもモバイル機器と同様に見た目がよく直感的な操作性を求めています。自動車メーカーでは、こうしたユーザーの期待に応えながら、増え続ける自動車関連の情報を限られたスペースで提供していかなければなりません。
  • デザイン面での柔軟性 – 自動車の各種メーターは、物理的なものから、必要に応じて再構成が可能なデジタルメーターへと移行しつつあります。デジタル クラスタは、複数の車両モデルで再利用できるため、開発にかかるコストと時間の削減が実現します。こうした再利用性を実現するためには、柔軟性にすぐれたソフトウエア プラットフォームをシステム基盤として使用しなければなりません。
  • システムの統合 – 自動車業界のトレンドとして、メーター系、ヘッドアップ ディスプレイ (HUD)、そしてインフォテイメント システムという 3 つの主要なディスプレイを合わせた統合コクピットへと移行していく傾向にあります。このため、こうした機能をすべて同時に、かつコスト効率よく処理できるハードウエアとソフトウエアの統合プラットフォームに対する需要が高まっています。
  • 認証 – 安全が最優先の車載情報システムでは、車の速度その他のデータを、タイムリーに、正確に提供しなければならず、またデータには信頼性が不可欠です。実際、自動車の機能安全性規格であるISO 26262 の認証を取得しなければならない車載情報サブシステムの数は増えており、メーカーにとっては、時間がかかる新たな課題となっています。

車載情報システムの課題と取り組むには、以下のような特徴を持つ柔軟なプラットフォームが必要となります。

  • 複数の車両モデルや価格帯に渡り、異なるユーザー インターフェイスと機能レベルをサポート
  • 自動車業界で人気の複数ハードウエア プラットフォームで動作
  • 安全性と信頼性において実績があり、認証にも対応
  • 専門性と経験を備えた企業のバックアップがあり、可能な限り少ない労力で安全規格認証の取得が可能
  • 処理能力が普通レベルのローエンドハードウエアでも理想的なパフォーマンスを達成
  • さまざまな車種に対応するディスプレイの開発が可能でソフトウエア投資へのリターンが大きい
  • ハードウエアのアクセラレーションを使用するグラフィックスなどを含む多様なユーザー インターフェイス機能を提供し、魅力的かつ高性能なディスプレイの作成が可能

QNX ソフトウエア システムズでは、対応の幅が広いグラフィックス フレームワークと、機能安全の認証を受けた OS を通じて車載情報システムの要件に対応しています。QNX の技術のコンポーネント ベースのアーキテクチャによりアプリケーションの拡張性とソフトウエアの再利用性が向上し、メーカーは複数の車種向けに車載情報ディスプレイを短時間で作成できます。

QNX のスクリーン技術は、オープン スタンダードで柔軟性が高い HTML5 ベースのユーザー インターフェイス フレームワークが提供します。オープン スタンダードへの対応により、メーカーは開発者を確保しやすくなり、HMI ソフトウエアへの投資を保護することができます。QNX スクリーン技術には以下のような特徴があります。

  • ハードウエア アクセラレーションを使うOpenGL ES グラフィックスに対応し、スムーズかつ敏感に反応する針、ゲージ、グラフィックスのトランジションなどを表示
  • OpenGL ES、HTML5、Qt など、異なるツールキットで開発された複数のアプリケーションとコンポーネントを同時に同一のディスプレイ上でシームレスに統合可能
  • HUD、ゲージ、車両情報ディスプレイなど複数ディスプレイの同時駆動が可能

機能安全規格認証

QNX は機能安全規格認証における豊富な経験を有しています。QNX 製品の基礎を形成する QNX® Neutrino® RTOS は、リアルタイムの安全性が不可欠なシステムで長年の歴史を有しており、広く適用されている IEC 61508 、自動車市場で新たに採用されつつある ISO 26262 など、国際的な機能安規格の認証を取得しています。QNX は、さまざまな市場で認証取得における数多くの顧客をサポートしており、認証作業とコストの管理を行うメーカーに価値ある助言と支援を提供することができます。

QNX OS for Automotive Safety は、自動車メーカーおよびティアワン サプライヤを対象に、機能安全性要件に対応できるよう設計された製品です。この製品は、ISO 26262 ASIL D の認証を取得しており、機能安全性要件を満たす車載情報システムの高信頼性プラットフォームとして使用することができます。このOSの規格認証は、安全性と品質の持続的な開発における国際的なリーダー、 TÜV Rheinland によって検証されました。QNX OS for Automotive Safety は、認証取得済みのオペレーティング システムだけでなく、ISO 26262 への対応が求められる安全性関連アプリケーションの開発のための条件を満たしたツール チェーンも提供します。製品の詳細に関しては、QNX OS for Automotive Safety 製品のページをご覧ください。

QNXでは、自動車市場に特化された認証取得済みOSに加え、機能安全性対応車載製品の成功に必要なもうひとつの要素である技術的な専門知識を提供します。QNX のオートモーティブ ソリューション チームは、熟練したエンジニアリング集団であり、顧客プロジェクトの予定通りの完了を繰り返し支援してきた実績を持ちます。また、QNX のセーフティ ソリューション チームは安全設計に関する豊富な専門知識と経験を有しており、高信頼性システム開発のためのトレーニングとコンサルティング サービスを提供しています。QNXでは、さまざまな市場における安全性システムの設計と開発に携わる多くの顧客を支援してきており、認証取得の取り組みを成功に導いています。

車載情報システムでは、複数の技術パートナーの知的所有権を統合しなければならないケースが頻繁に発生します。統合コストを抑え、開発時間短縮を支援するため、QNX はハードウエア ベンダー (Freescale、NVIDIA、Renesas、Texas Instruments、その他)、 ツール ベンダー (Klocwork、LDRA、STMicroelectronics、Verum、その他) を含む包括的なエコシステムを構築しています。